昔、日本は世界に匹敵する海軍を持っていました。というか島国で周囲が海に囲まれているので強くなければいけなかったんです。
でもセーリングと海軍に何の関係が?と思う方がいると思います。
要するに、海に強いんだから海のスポーツも強いのでは?と思って欲しいんです!
しかし、僕もそうですがセーリングという言葉は全然聞いたこともないし、ましてや実際に見たことなんて只の一度もありません。
ここで書くことによって、セーリングのことを多くの人に知ってもらえたらと思います。
ちなみに、「sail」は帆のことです。
国際セーリング連盟(ISAF)には126の国と地域が参加しています。同連盟は1907年に設立されました。
セーリングを知らない人でも「サーフィン」は聞いたことがあるんじゃないかと思います。
では、「ウインドサーフィン」はどうですか?セーリングよりかは聞いたことがある方が多いんじゃないかな?と思います。ウインドサーフィンはボードにセイル(sail 帆)を取り付けて、風を帆で受けて推進力として進むスポーツです。
つまり!セーリングとは、セイル(帆)で風を受けて水上を進むスポーツなんです!!
オリンピックのセーリング競技の種目は毎回10種目前後行われています。というのも、毎回実施される種目が違うのです。前回まであった種目が今回はなかったり、その逆もしかりです。
なのでここでは2016年リオデジャネイロオリンピックで実施される種目を上げていきたいと思います。
- 男女混合ナクラ17級
- 男子/女子RS:X級
- 男子/女子470級
- レーザー級男子
- 49er級男子
- フィン級男子
- レ−ザーラジアル級女子
- 49erFX級女子
計10種目があります。
男女混合ナクラ17級は、双胴船(catamaran カタマラン)を男女混合で操る種目です。双胴船とは、二つの船体を甲板で平行に繋いだものです
イメージとしてはこんな形です。
男子/女子RS:X級は、一般的にウインドサーフィンと呼ばれています。一人乗りで全長2.86m、全幅0.93m、重量15.5kgです。水上にもかかわらず、風の力だけで時速50キロ以上出ます。
2012年ロンドンオリンピック 女子RS:X級 金メダリストMarina Alabau
男子/女子470級は、艇の全長が4.7mあることから、日本では「ヨンナナマル級」と呼ばれています。二人乗りで、適正体重が130kg前後となっていて、小柄な日本人に適していると言われています。男子は9大会連続、女子は7大会連続出場を果たしています。
2012年ロンドンオリンピック 女子470級 銀メダリスト Hannah Mills and Saskia Clark
レーザー級男子は、一人乗りで、世界で、最も広く普及している種目です。全長4.23m、全幅1.37mのレースヨットです。
2012年ロンドンオリンピック レーザー級男子 銀メダリストPavlos Kontides
49er級男子は、二人乗りで、「フォーティーナイナー級」と呼ばれています。全長4.99m、全幅2.9mのヨットです。
2012年ロンドンオリンピック 49er級男子 金メダリスト Nathan Outteridge and Iain Jensen
フィン級男子は、一人乗りで、世界最古のセーリング種目です。全長4.51m、全幅1.5mのヨットです。
2012年ロンドンオリンピック フィン級男子 金メダリスト Ben Ainslie
レーザーラジアル級女子は、一人乗りで、レーザー級男子で使う艇のセールの面積を約80%削減したヨットで行います。
2012年ロンドンオリンピック レーザーラジアル級女子 銀メダリストMarit Bouwmeester
49erFX級女子は、二人乗りで、男子の49erと使う艇は同じです。しかし、マストの高さ、セール面積が小さくなっています。
動画を見て分かる通り、水面と体がほぼ平行です。自然と戦いながらレースを行う過酷なスポーツなんです。
セーリング 知名度
海上を移動する船・ヨットなら知っている人も多いかと思います。しかし、ことセーリングとなると話は別です。まだまだ知名度は高くありません。
競技人口
日本セーリング連盟には約10,000人が登録しています。競技人口は少ないですね。
ちなみに、高校(全日制・定時制・通信制含む)のヨット部の数は約100、男女の合計は1400人です。(全国高等学校体育連盟に所属している数なので、未公認の所は含んでいません)参考:公益財団法人全国高等学校体育連盟
平均年齢
セーリングでは技術よりも、その時の状況を瞬時に判断する知識や経験が重要です。ということは長年競技している選手の方が有利なんです。このことから平均年齢は少し高く、30代〜の選手が多いです。
2016年リオデジャネイロオリンピックに出場する選手は11人中6人が30代の選手です。
もちろん若い10代の選手で活躍している人もいます。
主要大会
まずタモリカップがあります。そしてジャパンカップ、全日本選手権、国体、世界選手権などがあります。
平均年収
2016年リオデジャネイロオリンピックに出場する選手の一人、土居 一斗選手はアビームコンサルティング(株)に所属しています。同企業の平均年収は500〜700万円です。しかも、年齢が上がるにつれ、年収1000万円以上も望めそうです。
同じく牧野 幸雄選手はトヨタ自動車東日本(株)に所属しています。同企業の牧野選手と同じ1980年生まれ36歳の平均年収は700〜800万円です。
維持費用が高いので年収も高い傾向にあります。
プロになるには?
国内にセーリングのプロ組織はありません。
プロセイラーになるとしたら、日本セーリング連盟のナショナルチームに入って、多くの世界大会に出場し、賞金で生活するのがプロへの道ではないでしょうか?
引退後
競技を引退したらコーチなどへの道があります。しかし、無理に引退する必要はないと思います。
セーリングは高齢者でもできるスポーツです。